唇顎口蓋裂

唇顎口蓋裂とは

生まれてくるまでに口唇の部分の披裂がなくならなかった状態(口唇がくっつかなかった状態)をいいます。人の顔は、お母さんのおなかの中でいろいろな突起(顔面突起)が組合わされてつくられていきます。ですから、その途中ではすべての人がいろいろな披裂をもっているわけです。つまり、どんな人でもすべて胎児のときは口唇裂の状態だったといえますし、どんな人の子供も口唇裂になる可能性があります。

生後一週後からの治療

口と鼻との遮断が上手くできないために授乳も困難です。そのために吸う力も弱く時間がかかったり、哺乳量が少なかったりと多く問題をかかえます。そのためにホッツ床という口のなかにいれる入れ歯のようなプレートを着用します。ホッツ床はその口蓋裂に合わせて作られており、このプレートを使うことにより顎の正常な成長を助けたり、口と鼻とを遮断させることによって上手く飲み込むことができるようになります。他にも舌の異常運動の抑制などにも効果があります。

<唇顎口蓋裂児の治療計画>

新生児/乳児期

誕生 小児科 他の合併奇形の検索/全身管理
口腔外科 両親のオリエンテーション/哺乳指導
形成外科 両親のオリエンテーション
生後1週 矯正歯科 ホッツ床の作製/哺乳指導
小児科 術前検査
3~6ヶ月 形成外科 口唇形成術
矯正歯科 発育に合わせてホッツ床の再製/哺乳床の再製/調整
小児科 精神/身体発育のチェック
耳鼻科 中耳炎の治療/鼻咽喉閉鎖機能のチェック
言語療法士 構音機能のチェック
小児歯科 矯正歯科による乳歯や歯列のチェック
1歳6ヶ月 二段階口蓋形成術

※患者様の状況によって治療の時期や方法が変わります。

幼児/成人

2歳
  • 言語指導
  • 口蓋床/スピーチエイド作製
  • 乳歯列の管理
  • 構音機能評価
6歳
  • 歯列矯正開始(上顎劣成長に対する発育誘導)
  • 咽頭弁移植手術/軟口蓋形成手術
  • 口唇/外鼻修正手術(就学上問題がある場合)
9~12歳
  • 顎裂部骨移植/鼻口腔瘻閉鎖術
  • 本格的歯列矯正開始(上顎/下顎歯列の形態を合わせる)
16~17歳
  • 術前矯正
18歳
  • 欠損歯のインプラント埋入
  • 外鼻修正手術(隆鼻術)
  • 外科的顎顔面矯正手術
  • 術後矯正
  • 歯科補綴治療

※患者様の状況によって治療の時期や方法が変わります。